ファストリカバリーダイオード

ファストリカバリーダイオード

ファストリカバリーダイオードとは?

ファストリカバリーダイオード(: Fast Recovery Diode)は、スイッチング性能である逆回復時間(trr)を速くしたダイオードです。

 

一般的に整流ダイオードが500Hz以下の低周波向けの特性となっているのに対し、ファストリカバリーダイオードは数kHz~数百kHzの高周波スイッチングに使用されることを想定しています。

逆回復時間(trr)に関しては、一般整流ダイオードの数µs~数十µsに対して、ファストリカバリーダイオードは1/100程度となる数十ns~数百nsと桁違いに速くなっています。

 

 

逆回復時間とは?

逆回復時間はダイオードがONの状態から完全にOFFになるまでの時間を表しています。

順方向に電圧印加している状態から逆バイアスをかけた場合、素子内に蓄積したキャリアが再結合し空乏層が広がりきるまで逆方向電流が流れている状態になります。(完全にOFFになっていない状態)

順方向電流が大きければ、反対側の層へ到達するキャリアが増え、空乏層が広がるまでさらに時間がかかるため、逆回復時間は大きくなります。

 

 

ファストリカバリーダイオードの構造

ファストリカバリーダイオードは、N型半導体内にキャリアトラップと呼ばれる不純物を設けることによって逆回復時間を短くしています。

 

逆バイアスをかけた時に、キャリアトラップがホールを捕まえます。

N層内のホールを通常より速く戻すことができるため、逆回復時間を短くすることができます。

不純物の濃度により逆回復時間を変化させることができますが、代わりに順方向電圧(VF)が大きくなってしまうトレードオフの関係にあります。

 

 

ファストリカバリーダイオードの製品一覧はこちら

 

 

<参考文献>

https://analogista.jp/fast-recovery-diode/

https://www.shindengen.co.jp/products/semi/column/basic/diodes/frd.html

https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/product/diodes/schottky-barrier-diodes/articles/schottky-barrier-diodes.html