水晶振動子/発振器

水晶振動子/発振器

水晶振動子/発振器

水晶振動子とは?

水晶振動子は非常に薄い水晶片に電極を付けた電子部品です。

水晶はある方向に圧力をかけると電気を発生させる圧電効果と、またある方向に電気をかけると振動する逆圧電効果を持っています。

この原理を利用し、安定した電気信号を得るために使われるのが水晶振動子です。

 

水晶振動子の役割

電子機器内で水晶振動子が担う役割は大きく分けて2つあります。

 

  • 安定した周波数を維持する
無線LAN、スマートフォンなど私たちが普段から利用している電波で情報をやり取りする機器は、機器の電波によって一定の周波数を割り当てられています。
この周波数が狂った場合、他の人と混信し通話やメールの送受信などの機能が使えなくなってしまいます。
水晶振動子は精度の高い一定の周波数を生み出すため、この周波数を基準とすることによって、機器にあった電波の送受信を行うことができます。

 

  • 規則正しい基準信号を作り出す
スマートフォンを例に挙げると、一台の中に時計機能、電源管理、カメラ、DRAM、フラッシュメモリ、無線LANモジュールなどいくつもの周辺回路から構成されています。
これらの回路はそれぞれ役割が異なっているため、動作するタイミングを合わせなければスマートフォン全体として正常な動作をすることができません。
タイミングを合わせるために、規則正しい基準信号を作ることのできる水晶振動子が活躍しているのです。

水晶発振器とは?

水晶振動子は単体で動作することはできない部品なので、振動させるための回路(発振回路)が必要になります。

しかし、振動子にマッチした発振回路を設計しなければ安定した動作は望めません。

そこで、水晶振動子と発振回路を1パッケージ化した「水晶発振器」が各メーカーより製品化されています。

 

なお、水晶発振器は構成や精度によっていくつかに分類できます。

  • SPXO(Simple Packaged Crystal Oscillator)- パッケージ水晶発振器
    SPXOは温度補償や温度制御をしていない発振器です。
    周波数温度特性は、ほぼ水晶振動子の温度特性と同じになります。
    温度範囲により変化しますが、精度は±20~±100ppmとなります。
  • TCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)- 温度補償水晶発振器
    温度補償回路を内蔵し広い温度範囲にわたり良好な温度特性が得られるようにした水晶発振器です。
    TCXOは温度特性が良好で消費電力が少なく、小型軽量、起動時間が短い等の特徴を持っています。
  • VCXO(Voltage Controlled Crystal Oscillator)- 電圧制御水晶発振器
    電圧制御水晶発振器は、水晶振動子と直列に可変容量ダイオードを挿入し、設定電圧に応じてその出力周波数を変化させることが出来る電圧制御型の水晶発振器です。
    広範囲の可変量と良好な周波数直線性が得られるのが特徴です。

  • OCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)- 恒温槽付水晶発振器
    恒温槽によって水晶振動子の周囲温度を一定に保つため、温度特性が非常に優れた水晶発振器です。
    恒温槽付水晶発振器は、移動体基地局等の各種通信機器、周波数カウンタ、スペクトラムアナライザ等各種電子計測機器の基準発振器として最適です。

 

水晶振動子/発振器の製品一覧はこちら

 

 

<参考文献>

http://www.river-ele.co.jp/ja/company/device/

https://www.ndk.com/jp/products/info/-.html#000386