eFuseとは
eFuse(電子ヒューズ)は、MOSFETのスイッチングによって過電流保護を行う半導体デバイスです。
ヒューズは電子機器には欠かせないデバイスとして広く使われていますが、ガラス管やポリスイッチ等を用いたものが主流でした。
それら従来ヒューズにはない特徴を持った新しいヒューズがeFuseです。
eFuseの特徴
eFuseは従来のヒューズには無い様々な特徴を持っています。
まずは、ヒューズ動作後の交換が不要である点です。
従来のガラス管ヒューズなどではジュール熱を利用して、金属を溶断させることで電流を遮断するという方法で保護をしていましたが、eFuseはMOSFETをオフにすることで電流を遮断するため、繰り返し何度でも使用する事ができます。
次に、ICであることを活かして様々な付加機能を持たせられる点です。
過電流だけでなく、過電圧・短絡・加熱保護機能など、より効果的な使い方が可能になります。
eFuse採用のメリット
eFuseを採用することによるメリットはいくつかありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。
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交換不要によるメンテナンス費用、時間の削減
従来の使い切り的なヒューズに対し、繰り返し使えるeFuseに置き換えることで、部品交換、修理など保守メンテナンスの費用・時間を削減することができます。 -
高精度な電流保護性能の実現
従来のヒューズは溶断や熱膨張を利用しているため、遮断する電流を厳密に決定することができません。
こういった性質から、誤動作を防止するためある程度幅を持たせた選定が必要になりますが、破壊のリスクもはらんでいます。
eFuseにおいては外付け抵抗で検出電流を設定できるため、電流値を高精度に設定することが可能です。 -
保護動作の高速化
従来のヒューズでは、過電流の発生から実際に遮断されるまでにはタイムラグがあります。(ジュール熱による温度上昇が融点に達するまでの時間)
eFuseでは過電流の検出とほぼ同時にスイッチOFFし、電流を遮断するため、過電流の流れる時間を縮小することができます。