チップヒューズとは?
チップヒューズは電気回路を保護するための電子部品です。
ヒューズは規定を超える電流が流れた場合に、電気回路の電源を切る役割を持っています。
電子部品は熱に弱いものが多く、過電流によって破損してしまうケースもあるため、それを防ぐ目的でヒューズは使用されます。
バッテリを搭載した携帯機器の普及が進む今日では、表面実装可能なチップヒューズの需要が拡大しています。
チップヒューズの用途
チップヒューズは主に携帯電話などのバッテリパック保護を目的に使用されています。
最近の携帯機器に搭載されているリチウムイオン電池は容量が大きいため、ショートなどの異常が生じた場合でも、大電流を流し続けてしまいます。
その場合に携帯機器の異常発熱などに繋がる恐れがあるため、チップヒューズが回路内各所に配置されます。
なお、チップヒューズは二次側の定電圧回路保護を目的としているため、電源直結の一次側で使われることはありません。
チップヒューズの仕組み
ヒューズは通常導体(電気を通す)として振る舞いますが、定格を超えた過剰な電流が流れた際に発生するジュール熱によって内部が溶断し、回路をオープン状態にすることで電流を遮断します。
ヒューズの種類によって構造は異なりますが、基本的な仕組みはどれも同じです。
ガラス管ヒューズなどは、作動後すぐに交換し復旧させることができますが、チップヒューズは基板実装するため作動後に交換することは想定していません。
また、ヒューズには速断型や耐インラッシュなどの様々なタイプが存在しており、タイプによって定格電流は同じでも溶断特性が異なる場合があります。
溶断特性を考慮しないと、「正常時にヒューズ切れる」、「万が一の時に保護が機能しない」といった問題が起こるため、使用する回路に最適なヒューズを選定することが大切です。
<参考文献>
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/chip-fuses-guide