コモンモードチョークとは
コモンモードチョークは、電子回路においてコモンモードノイズを抑制するために使用されるフィルタです。
一般的にフェライトコア(磁性体の一種)で構成され、巻線(コイル)が複数の巻き数で配置されています。
コモンモードチョークの機能
コモンモードチョークの主な機能および特徴は以下の通りです。
-
共通モードノイズの抑制
コモンモードノイズの周波数成分を抑制するために使用されます。
コモンモードノイズは、信号の共通部分に同時に現れるノイズであり、対象の回路やシステムの動作や信号品質に悪影響を及ぼす可能性があります。
コモンモードチョークは、これらのノイズ成分を除去することで、信号の品質を向上させます。 - ノイズのカップリング回避
コモンモードチョークは、信号回路とノイズ源の間に配置されることで、信号とノイズのカップリングを防ぎます。
コモンモードチョークのフェライトコアは、ノイズ信号を吸収し、巻線のインダクタンスによってノイズの流れを制限します。これにより、ノイズが信号回路に影響を与えるのを最小限に抑えます。 - 高周波ノイズの除去
コモンモードチョークは、高周波ノイズの除去に効果的です。
フェライトコアは高い磁気透磁率を持ち、高周波信号を吸収・減衰させることができます。
そのため、高周波ノイズの影響を低減させ、信号品質を改善します。
コモンモードチョークの用途
コモンモードチョークは、コモンモードノイズ抑制のため、様々なアプリケーションに利用されます。
代表的な例は通信回路やデータ伝送線での応用です。
ネットワークケーブルやイーサネットケーブルの両端にコモンモードチョークを配置し、電源線からのノイズを除去します。
また、オーディオ機器にも使用されることが多く、アンプやミキサーなどの電源回路や信号線にコモンモードチョークを組み込むことで、クリアでノイズのない音声信号を実現します。
電子機器においてノイズ対策は常に重要な課題であり、その解決策として有効なコモンモードチョークは、身の回りのあらゆる機器で貢献を続けています。
<参考文献>
https://article.murata.com/ja-jp/article/basics-of-noise-countermeasures-lesson-6