整流ダイオードとは?
ダイオードの用途は様々ですが、代表的な用途が整流回路であり、ここで使用されるのが整流ダイオードです。
整流というのは交流電力(AC)を直流電力(DC)に変換することを指します。
そのための回路を整流回路、整流回路が内蔵された装置を整流器と呼びます。コンバータ、AC/DCコンバータとも呼ばれます。
私達が日常で使っている電子機器は交流である商用電源からエネルギーを得ていますが、ほとんどの電子機器は直流でなければ駆動しません。
そういった場面で重要な役割を果たしているのが整流器なのです。
整流ダイオードは商用周波数(50/60Hz)の整流を意図しているため、逆回復時間が非常に大きく、高周波での整流には適していません。
その他に、高電流・高耐圧の製品が多く存在することも特徴です。
整流ダイオードの仕組み
ダイオードはその構造により特性が変化しますが、整流器に使用されるのはPN接合ダイオードです。
PN接合とは正孔(電子のない空白部分)を持つP型半導体と、自由電子を持ったN型半導体を一つの結晶として繋げることを言います。
PN接合ダイオードではP型半導体側の電極をアノード、N型半導体側の電極をカソードと呼びます。
アノードにプラスの電圧を印加した場合、N型半導体に向かって電子が流れ接合部で結びつくため、電流が流れるようになります。
逆にマイナス電圧を印加した場合は正孔と自由電子がそれぞれ電極側に移動してしまうため電流は流れません。
このダイオードの特性を利用することで、交流のプラス電圧のみを通過させ直流に変換(整流)することができます。
<参考文献>
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/3545/
https://www.matsusada.co.jp/column/diode.html