ショットキーバリアダイオードとは?
ショットキーバリアダイオード(英: Schottky Barrier Diode)は、金属と半導体の接合(ショットキー接合)によって構成されるダイオードです。
一般的なダイオードはP型半導体とN型半導体のPN接合ですが、ショットキーバリアダイオードは別構造のため、電気的な特性も異なっています。
ショットキーバリアダイオードは、PN接合のダイオードと比べて逆回復時間(trr)が短く、順方向電圧(VF)が小さいという利点を持ちます。そのため回路の高効率化・小型化には非常に有用な電子部品です。
一方で逆電流(IR)が大きいため、PN接合に比べ逆方向の損失が大きく、熱の影響を受けやすいという面もあります。
ショットキーバリアダイオードを使用する際の注意点
ショットキーバリアダイオードは、PN接合ダイオードと比較して優れている点もありますが、万能でどこでも使えるという訳ではありません。
まず、ショットキーバリアダイオードには高耐圧のものがありません。
耐圧40V程度の製品がメインとなりますので、高電圧の制御には向いていない電子部品ということになります。
また、ショットキーバリアダイオードは熱暴走を起こしやすい点も注意が必要です。
逆方向電流が大きいため、逆方向の損失も大きくなります。
損失によってダイオードの温度が上昇し、逆方向電流がさらに増加、それによってさらに温度が上昇…という悪循環に陥ってしまいます。
最終的にはダイオードの故障、破壊に至る場合もあります。
使用する場所や、回路設計を十分に確認した上で適切に使用する事が望ましいです。
ショットキーバリアダイオードの使用用途
ショットキーバリアダイオードは、耐圧の低い製品がメインとなるため、低電圧のDC/DCコンバータで整流を行うダイオードとして使用されることが多いです。
また、バッテリーラインの逆流防止回路に使用されることもあります。
順方向電圧が小さいため損失を小さくすることができますが、ここでも逆方向のリーク電流に関しては注意が必要です。
<参考文献>
https://analogista.jp/schottky01/
https://deviceplus.jp/hobby/schottky-diode/
https://www.shindengen.co.jp/products/semi/column/basic/diodes/sbd.html