シャント抵抗器とは
シャント抵抗器は、電流の検出・測定を目的に使用される抵抗器の一種です。
電流の測定範囲を拡大する場合は、主回路に並列に接続されます。
これにより流れる電流を分流させ、回路に流れる全電流を測定します。
シャント(Shunt)には"回避する"や"分流する"という意味があり、これがシャント抵抗器と呼ばれる由来となっています。
シャント抵抗器の特徴
シャント抵抗器には以下のような様々な特徴があります。
それぞれの特徴を理解したうえで、利用する環境に合わせたシャント抵抗器の選定をする必要があります。
- 低抵抗
シャント抵抗器は、主回路の電流を分岐させるため、一般的に低い抵抗値を持ちます。これにより、分岐電流が大きくなります。 - 高耐電力
シャント抵抗器は、高い電流を扱うことがあるため耐電力が高く設計されています。
抵抗素子の材料や構造が適切に選ばれ、高電力環境下でも正常に動作します。 - 温度特性
シャント抵抗器は、温度変化によって抵抗値が変化する場合があります。
抵抗素子の材料や構造によって、温度特性が設計されています。
一部のシャント抵抗器では、温度補償機能が備わっており、温度変化による抵抗値の変動を補正します。 - 低感受性
シャント抵抗器は、外部のノイズや電磁干渉に対して比較的低い感受性を持ちます。
そのため、電流測定や制御の精度を高めることができます。
シャント抵抗器の用途
シャント抵抗器は、上述したように電流の測定が主な用途ではありますが、回路上の過電流保護やフィードバック制御などにも応用されています。
シャント抵抗器の使用は、電流測定や制御において不可欠な要素となっています。
その特性や信頼性を最大限に活かしながら、電子機器や電力システムの効率性、安全性、パフォーマンスの向上に貢献しています。
<参考文献>
https://www.rohm.co.jp/electronics-basics/resistors/r_what14
https://www.akm.com/jp/ja/products/current-sensor/tutorial/shunt-resistor-heat-generation/